フィン・ユール：FD 136 イージーチェア

幅広のラウンジチェアのようにゆったりとしたサイズ感ですが、真鍮スペーサーを用いて背と座を分離させることにより軽やかな印象の作品です。浮遊感のあるデザインはフィン・ユール特有のスタイルで、チーク無垢材を削り出した羽のように軽やかな彫刻的な肘掛が印象的な作品。張地であるレザーは前所有のオーナーからそのまま引き継いだもので、日焼けとパチネで渋いエイジングの仕上がりです。座った感じ、背座内部の素材は恐らくパームの繊維などの天然素材が使われています。

製造：France & Deverkosen

【仕入れの小話】

長年付き合いのあるディーラーから譲ってもらいました。倉庫の片隅に少し隠れるように鎮座していたFD136。あれ？と思って布をめくると出てきました。値段を聞くと歯切れ悪く何かゴニョゴニョと言うディーラーさん。実は販売用ではなくて自分のコレクションにしようと思っていたそうです。ランチを挟んでなんとか交渉の末、値段にも折り合いがついて譲ってもらえることに。事前の打ち合わせでもフィン・ユールの在庫は出ておらず、今回のデンマーク仕入れではなかなかフィン・ユールの良作に出会いませんでしたので、うれしい誤算でした。