ルネ・ラリック 特別展 RIKIZO et René Lalique

京都で思いがけず力三さんの絵に出会い、そしてパリのアトリエへ、カ三さんを訪ねていきました。 フランス文化省から与えられた工房内は、大小様々な油彩から版画まで、至る所が作品で埋め尽くされていました。赤と黒を基調とした鮮烈な抽象絵画は、年々さらに力強さを増しているようでした。

カ三さんの作品からは独自の和の美意識を感じます。 油絵具で描かれた光沢のある色彩はどこか漆のイメージを思い起こさせます。また、折り重なる形は着物の帯のようにも見えてくることでしょう。 「フランスで50年以上に渡り絵を描くうちに自然と日本的な感性が形作られてきた」とカ三さん は語ります。 ルネ・ラリックもフランスの地で、日本美術から多大な影響を受け作品をつくりました。当時 ヨーロッパで流行したジャポニズムを斬新な視点で取り入れた作品は、単に日本的なモチーフが用いられているだけでなく、その構図などからも和の美意識を見て取ることができます。

今回の特別展では、パリと京都で描かれた力三さんの近作と、ルネ・ラリックの作品を合わせて展示します。力三さんの絵画が作り出すダイナミックな空間と、ルネ・ラリックとのコラボ レーションをお楽しみください。

 

鈴木　尚志、西野みさを、西野圭亮

 

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